「道具の細道」

「鉄瓶・鉄釜」

日本においての鉄の歴史は古い
農具や工具として
刀や刃物として
鉄瓶や鉄釜など
生活道具として
その歴史は私達日本人の歩んできた
歴史ととても密着している

鉄で作られるものは
生きるための道具から
よりよく豊かに生きるための道具へと
変化してきた

鉄瓶、鉄釜
400年以上の歴史を持つ
湯を沸かすための道具

表面には錆止めとして漆が塗られ
内側には金気止めという
備長炭による焼き付けが
施されている

この金気止めという工程が
錆を防ぐと同時に
湯あかを付け
その湯あかにカルシウムやミネラルが
沈着する

鉄で沸かした湯は栄養豊富で
使い込めば使い込むほど
味がまろやかになるといわれる
由縁である

そして
鉄瓶、鉄釜の蓋の取っ手部分
これを鉉(つる)とよぶ
鉉は様々なデザインがあり
まさに芸術品であると共に
湯が沸いた時でも
素手でさわれるように
中を空洞にして作られている

こうして
使い手のことを考え
細やかな工夫をすると同時に
そこにデザインという
個性を出すことに
魅力を感じる

鉄、漆、炭
全てが自然に存在するものだけで
作られている
だからこそ
鉄瓶や鉄釜は
使い込むほど自然と
独自の艶、艶やかさを放つのだろう

先日、古い茶釜を手に入れた
丁寧に新たに命を吹き込むように
磨きながら
道具の持つ歴史を感じていると
いつしか自分と向き合う時間へと
変わっていくことを感じた

鉄は錆びるもの
それは
人が年を重ねることと同じように

しかし錆を防ぐための
鉄の扱いと手入れを施し
錆を艶に変える術を知れば
鉄は
使えば使うほど古くなる道具ではなく
使えば使うほど味わい深くなり
世代を越え引き継いでいけるような
道具だと感じる

ただ湯を沸かすためだけに
炭を入れ火をおこす
手間と時間をかける

シンプルなことに
手間と時間をかけることこそ
本当に豊かな時間だと感じる

作り手が
道具やそれをつくる技術を
敬承するように
使い手もまた
道具の良さや
道具から得られる
豊かな時間の流れを感じられる感性を
次世代へ敬承していかなければ‥
と感じる

a0336415_13383682.jpg


そんな今日のヒデキチでした。
[PR]
by hidekichizm | 2016-02-15 13:39


VEGA HOUSE 社長   日々是鍛錬


by hidekichizm

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
ご挨拶
未分類

以前の記事

2018年 03月
2018年 01月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 06月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月

検索

その他のジャンル

最新の記事

教養
at 2018-03-29 09:22
謹賀新年
at 2018-01-13 14:08
「四季」
at 2017-10-27 11:18
「無」
at 2017-10-16 08:00
「鏡」
at 2017-10-14 15:35

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧